某干潟産ホンビノスとマテ貝の都市河川の香りを料理でなんとかしたい!

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干潟ってすごいですね。


大潮でも満潮と干潮の差が20cmほどしかない日本海沿いに生まれたので、潮の満ち引きというのをあまり実感せずに育ってきました。


東京に越してきて驚きました。その辺の川、しかも海のすぐそばってわけでもないのにみるたびに水位が違うのです。大雨が降ったあとでもなく。
こちらでは大潮には満潮と干潮の差が約2mもあるのです。6時間前にはざぶざぶとしていた海の水が完全に引いて、砂や泥が露出して、歩いていけるなんて!魅力的すぎませんか。


こうして今年3月に、はじめて干潟デビューしたわたしは、潮のいい週末にたびたび潮干狩りに向かうようになりました。


ちょうど先週も、マテ貝とホンビノスをとりに河口へ行きました。


まずマテ貝ポイントに行くと、その日はちょうど干潟おじさんがいて、かたっぱしから話しかけてマテ貝レクチャーをしていました。苦笑
逃げるように少しずつ離れながら掘って塩かけて…15本ほどいただいて終了。
そのときの発見、なにもぎりぎり水際でなくてもよいのだと。
ちょっとでも水があると、掘った穴に水がきてしまって塩がかけずらいし反応もよくない。
バシッと水が引いてるとこの、表面の穴を掘っていって、楕円形なら塩をかけると、すぐにひょこっと出てきます。


次に泥地のホンビノスポイントに移動。
外国語が飛び交い、そこいらに置いてある、スーパーのカゴほどの大きさのコンテナにホンビノスがぎっしり……わかりやすいポイントです。
ホンビノスはほんとに大きくて達成感があっていいですね。
泥を掘っていくと「ズカッ」と衝撃がきてでかい貝が採れる。体験です。
(ちなみに衝撃の6割はオキシジミで、水をぴゅーっと吹き出してきてがっくりします。あとシオフキガイも。)

道草して野良ミントと若オニグルミを採って帰宅。

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さて、本題の料理。
掘果はマテ貝15本、ホンビノス6つ。

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一晩塩水で砂抜き(+貝内の水分をきれいな水に入れ替えたいという気休め)を施します。

いつもはガーリックバターソテーやバター醤油焼きで食べます。
強めの味付けでないと、やや都市河川を感じるのです。
ホンビノスを焼いている時なんてまさに都市河川沿いを歩いているような気持ちになります。
食べるとそこまで強烈という訳ではないのですが、やはり少し気になります。


そういえば気になっていたのが、クラムチャウダー
「幕張新名物!」と銘打ったホンビノスのクラムチャウダーのお店があるのです。
クリーム系の味付けはひょっとしていけるのではないか。
やってみましょう。


[ホンビノスのクリームパスタ]
・ホンビノスは耐熱皿に並べ焼いて、殻が空いたら身を取り出し4等分に切る。
・フライパンにオリーブオイルをひいてニンニクみじん切り、ベーコン、唐辛子、玉ねぎを炒める。(ボンゴレより控えめの分量)
・さっと炒まったらバター、白ワイン、切ったホンビノス、耐熱皿に残ったホンビノス出汁を入れ、(ノロが怖いので念のため)かるく煮つめる。
・豆苗投入、生クリーム投入し、沸騰したらパスタを和えて完成。


マテ貝はなんとなく中華風に。
ごま油とにんにくしょうがでやっつけようという雑な魂胆です。


[マテ貝の紹興酒炒め]
・ごま油を熱し、にんにくとしょうが、粉唐辛子を炒める。
・マテ貝投入、油が回ったら紹興酒をかけて貝が開くまでフタをして蒸し焼きに。
・フタを開け、白ネギを和えて、最後に醤油をちょっといれて完成。

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さて、実食です。
ホンビノスのクリームパスタから。
これは完全に都市河川を感じません。でも貝の出汁のうまみ成分が生クリームやバターと合って、濃厚でとてもおいしいです。
チーズ入れていないのに、入っているかのような風味。
ホンビノスの身が大きいので、4等分しても十分に食べ応えがあります。
豆苗を入れたのも歯ごたえがあってよかった。濃厚な中でのさわやかさは大事ですね。


ボンゴレビアンコよりは刺激が少なく、「貝!!!」ほどの主張はありませんが、まったりしみじみおいしいパスタになりました。
これは都市河川ホンビノス料理の一つの正解といっていいのではないでしょうか。


次にマテ貝の紹興酒炒めを。
がっつりした味付けを施しましたが、それ以上に貝の風味ががつんときますね。
マテ貝は貝自体の味がかなり強く、貝が苦手な人はほんとうに苦手だろうなあ、という味です。
すこし塩辛くなってしまったので改善の余地あり。
汁がはちゃめちゃうまい。ご飯投入決定です。(つまり一食でパスタと米両方食べたということです)

マテ貝本体は味付けに左右されない屈強さがあるので、出汁を生かした料理、それこそパスタとかに活きるのかもしれません。
ただし殻が薄いため割れやすく、破片が料理に混ざりやすいため工夫が必要でしょう。
(採るのが下手で、引っこ抜く際に5割の確率で割ってしまう…)


どちらもおいしくいただきました。パスタは今後ガンガン食べていきたいです。みなさんも、ホンビノスを掘ったらクリームパスタにしてみてはいかがでしょうか。