台風が来る
今日は職場の配慮があり、ほとんどみな在宅でありがたかったが、低気圧からか頭痛の波が痛み止めを侵食する。
昼が過ぎ、ついに耐えかね、たまらず午後休を取らせてもらう。
湿度が高いのか、エアコンをつけていたのにベタつくTシャツを、乾いた清潔なものに着替え、石鹸で手を洗うと、いく分気分がましになる。
冷蔵庫から、冷えた水出しの黒豆茶をぐいっと飲んで、一息つく。
照明を落として、薄暗い部屋でベットに横になる。
徐々に部屋は暗さを増してゆく。
雨が屋根や窓をパタパタと叩き、ひっきりなしに往来する車は水たまりをズシャーと弾き飛ばす。
ビュウと突風が吹き、建具はギィと軋む。
たまに遠くでゴロゴロ轟く雷鳴。
雨足は強くなったり弱くなったりを不規則に繰り返す。
いつもより弱気になるような、しかし台風という死日常に少し興奮するような。
仕事を休んで、ただぐったりと寝転び、台風の音を聞きながら、うとうとしたり覚醒したりを繰り返していると、しかしこれはとても贅沢な時間なのではないか、とも思えてくるのだった。
(毎度のことながら、画像は本文に関係なし)