気を張る < 大きな湯船の心地よさ

今週のお題「最近洗ったもの」

 

ぐずついた仕事をがっと雑に終わらせて、PCをばたん!と閉じて、えいやっと久しぶりに近所の銭湯に行った

どうしても大きな湯船にざぶんと浸かりたかった

 


サウナも好きだが、それよりも大きな湯船を愛していて、湯船と水風呂の交互浴でじゅうぶん満足できるので、今日はサウナはなし

 


閉店ギリギリではないものの遅めの時間で、比較的空いているのでうれしい

 


桶と椅子を持って端っこの洗い場をゲット

高齢者が多いからか、椅子が高くて洗いやすいなあ、とシャンプーをして、ハッと、「まさか高齢者専用の椅子ではないか?」と入り口を見やると、全部同じ椅子だったので安心した

銭湯や温泉によっては、別途高齢者用に高い椅子を置いているところがあるのだ

 


そして、シャンプーを流して鏡を見ると、鏡の横に手すりがついていたので、ハッと、「まさか高齢者専用の席ではないか?」とあたりを見渡すと、全部の鏡の横についていたので安心した

銭湯や温泉によっては、高齢者用の優先席を設けているところがあるのだ

 


一通り洗い終えて、湯船につかる

熱すぎないお湯で、優しい浸かり心地

足を伸ばし腕を伸ばし、ふうっと一息ついたところで、ハッと、手すりのそばだと高齢者の邪魔になるのではないか、と位置をずらす

ほんとはずらす前のスペースはお湯が凪いでいてよかったんだけど

ここは隣のジャグジーの泡がノイズに感じる、が、仕方ないとのみこむ

 


銭湯や温泉ではいろいろ気を張らなければいけないことが多く、想像よりリラックスできない部分もあるが、それでもトータルではお湯の心地よさが勝つなあ、と毎回思う

天井の照明が反射して揺らぐ水面を、湯気と裸眼とリラックスとで焦点の合わない目でぼんやりと眺める

 


何度か行った銭湯では、コンタクトをせず裸眼で入ることが多い

視界がぼやけている方が、他人の裸とか、細かいタイルの汚れとか、落ちている髪の毛とか、そうした情報量が制限できるからか、気が楽に過ごせる

あとは、コンタクトしたままお風呂に入るとペターっと目に張り付く感触がいやで、手放しでリラックスしきれないのだ

 


そういえば、とても静かである

黙浴のルールがきちんと守られていて、心地よい

 


もちろん、コロナ以前の、東京下町の常連のお姉様方、直接的にいうとおばちゃんおばあちゃんたちの力強い会話も好きだったけど

 


ただし、この地域の銭湯の女湯には、常連達のマナーが酷悪なお店がいくつかあって、そういうお店の混雑時間は会話が力強いなんてもんじゃないが…*1

 


体勢を変えたり、ジャグジーにいったり楽しんでいるうちに、暑くなってきたので、重い腰を上げて静かにざぶんと湯船から上がり、水風呂へ行く

が、先客がいたのですごすごと戻る、少し恥ずかしい

ここの水風呂は小さいので1人しかはいれないのだ

 


少しして水風呂があいた

先客は私と同じく交互浴を楽しんでいるようで、椅子に座ってぼうっとしている

なんとなく仲間意識だ

 


いざ水風呂へ歩みを進める

手桶で水を汲んで手足にかけて、そして、

ザブッと水風呂に入り、ふとももまで急に来た冷たさにヒュッと息を吐く

そして、一息ついて、覚悟を決めて、、

グッと息をこらえて一気に肩まで!

心臓が止まりそうなのは一瞬で、じっとしていれば羽衣ができてあまり冷たさは感じなくなり、おても心地よくなる

手のひらを水に沈めて冷やしては、水から出してほっぺを覆う、火照った顔がひんやりとして最高になる

温度計を見ると21℃くらい

サウナ好きでは15℃とかキンキンに冷たい水風呂が好まれるようだが、私は20℃前半のぬるめの水風呂が好きだ

前に、冬に地元の温泉に行った際に、サウナからの雪が残るキンッキンの露天水風呂に入ったが、すごく衝撃的で、あれはあれでいい体験だったが、日常的な水風呂はこのぐらいがいい

なんなら湯船よりずっといられるくらいで、心地いいのでつい長居したくなるが、順番もあるし、身体にも良くないのでほどほどで上がる

 


そして、入り口から椅子を持ってきて、銭湯の端っこに置いて座って休憩する

外気浴?的なやつだ

休憩用の椅子とスペースがあれば最高なのだが、ここは街の銭湯である、贅沢を言う場ではない

 


はあ〜〜〜〜〜〜

 


そうしてまた、湯船、水風呂、座る、をもう1セットする

 


もちろん最初に入る湯船のリラックス感は最高だが

水風呂後のリセットされた湯船はこれまた格別である

ついつい何度も繰り返して、長風呂したくなってしまう

 


2度目の休憩、心臓はバクバクで、身体が固まって石のように重くなり動かなくなって、椅子に身体が沈んでいくようだ

表面は寒いのに、内側は暑く、でも肺から喉に出る呼吸は冷たい意味わからん状態である

果たしてこれが整う、なのかはよくわかっていない

 


こんな状態をありがたがっているのだったら、サウナ好きはみなクレイジーすぎないだろうか、と毎回思う

 


最後に名残惜しみながらざっと湯船に浸かったら、ぬるいシャワーを浴びて、タオルでざっと水気をぬぐい、心地よい身体のだるさを纏って脱衣所に出る

ぐしぐしと体を拭いて、最低限の服を着たら、自動販売機へ

瓶牛乳もいいが、お気に入りはオロナミンCロイヤルポリス

世間ではサウナの後のオロポ(オロナミンCポカリスエットで割った飲み物)が流行っているらしいが

オロナミンCロイヤルポリスだって略せばオロポである

グッと一息で飲み干すのに絶妙にいい量だ

 


最低限の化粧水だけぱしゃっとはたいて、ざっと荷物をまとめ、受付のおじいちゃんにあいさつをして出る

家から近いので、お行儀は悪いが髪を乾かさずに帰宅してしまう

家のドライヤーのほうが強力で時間も気にせず圧倒的に快適なので

夜の少しひんやりした風がたいへん心地よかった

 


そうして心地よいまま帰宅して、汚れた服や水分を吸ってしっとり重いタオルを洗濯機にぶち込み、回すのは明日にして、ソファにぐでっと倒れ込み、冷たい麦茶を飲みながらスマホYouTubeを開いた

 


全くストレスがなかったわけではないが、やっぱり銭湯はとても心地よいのだった

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*1:どのくらいかというと、Googleマップのレビューに

「常連の場所取りが酷い」「怒鳴ってくる」「気に入らない客には、出る直前入り口で体を拭いているところにわざとシャワーをかけてくる」「設備はとてもいいのに常連が酷すぎる、二度と行かない」「洗い場がなくて探しているのを湯船の中から見るのが常連の楽しみの1つかと」といった具合だ

ちなみに男湯のレビューだと「背中に絵が書いてある爺さんがうるさい」「いきなり恫喝された」「常連の爺さんがよく水風呂の水底に沈んでいる」と、常連同士のマナーというよりは、超ヤバ客が目立つというイメージ