薬味の森
毎年この時期、ベランダのプランターの緑の成長がすごい。
薬味の森と言ったが、9割は大葉だ。あとは茗荷の葉と、山椒。
植えたのは最初の年だけで、土をそのままに週1で水をやり月1で追肥するだけで、毎年勝手にわさわさ生えてくるのだからすごい生命力だ。
大葉は、20枚ほどむしって料理にばさばさ使ってもまだ森。
そのうちまとめてにんにく大葉醤油を漬けるだろう。
万能調味料だ。
茗荷の葉は馬鹿でかいだけで、収穫できるのは2、3個。
観葉植物と呼んでいる。
洗濯物に引っかかってしょうがない。
山椒は、去年の夏に実家の庭の山椒の木のそばに生えていた10センチほどの苗を持ってきたもの。
冬には葉が落ちるので枯れたかと不安だったが、春にはすっかり緑の葉が戻って、さすが木だけあって大きくなる。
そのうち実をつけるのだろうか。
支柱をしなかったので斜めに生えてしまい、ベランダの壁に沿わせている。
当初は満遍なく日光に当たるように鉢を回転させていたのだが、枝には鋭い棘が生えており怖いので、最近はずっとこの位置だ。
葉の角度が太陽に当たる方向に特化している。
少し申し訳ない気持ちである。
木の芽は買うとひじょうに高いので、ちょっと使いたいときにとても便利だ。
ちぎった葉をパチンと叩くとさわやかな香りが広がる。
豊かな森の繁栄と反比例してわたしはなにもやる気が起きず、土日は引きこもって寝るか動画を見ているかというような体たらくだった。
いまいち乾ききらないタオルのように身体もふにゃふにゃだ。
今もオールナイトニッポンをききながら人をダメにするクッションに溶けている。
くだらないトークが気分を和らげるが、顔はクスリとも笑っていない。
寝過ぎと低気圧による頭痛と吐き気で気分も最悪だ。
雨を免罪符に言い訳しても拭えない罪悪感。
飲むように卵かけご飯を食べて夕食とする。
一日中ごろごろしていてもご飯はおいしい。
せめて今から掃除機をかけてごみをまとめて、お弁当のおかずを作り置きして、ぬるめの湯船に浸かって寝よう。
ブログを見返したが去年も同じようなことを言っていたし、相変わらず根暗な文ばかりだ。滅入る。
最近、カメラを使う気力もない。だれかやる気ください。