そして、GW
世間は賑いだが何も特大イベントはない。
買ったばかりのバイクもそのままに、厄介な風邪を引いて、イベントごと以外はほとんど寝ていた。
やれ披露宴に行けばやれ結婚したいと思う。遠方にもう何度電報を送ったかわからないが、実際に足を運ぶともうれつなそれの感情に支配される。面倒ごとを通り越してただ可愛がれる孫が欲しい。しっかし歳とつまみだけ食っても命への責任感はあいかわらず芽生えない呑んだ暮れ。
3枚がけのこたつを1枚ずつ洗って、圧縮袋にしまった。
埃っぽく、食事の際の汚れも多く、そろそろ洗わねばマズイと思っていて、ほんとうは乾いたそばから使いたかった。でも偉いので即しまった。包まれるもの、人間が露骨にダメになる道具。
一昨年、連休クリーニング屋が休みやがったせいで出させないと落胆していた冬物コートは、今年は何度洗濯機で回したかわからない。プロにやって貰えば毛玉も取れるが、洗濯機なら一瞬できれいになり、あの独特のクリーニング臭なく、慣れ親しんだいつもの柔軟剤の香りは心地よい。ただし仕上がりはしおしおの毛玉饅頭だ。乾いた瞬間にクローゼットのいちばんはじに押し込む。とっくに流行りの型ではないが、まだ着れると信じて。
喉はズキズキゴホゴホ、鼻はズルズル、肺はヒュウヒュウ重かったが、どうにも食欲だけはあって、スーパーに行くだけでぜいぜい言ったのに、鶏もも肉を6枚買った。
バスマティライスでチキンビリヤニを、ジャスミンライスで海南鶏飯を、あとノンフライヤーで唐揚げとをした。
香り米はけっして万全でない鼻に、もち米のようなコーンのようなかぐわしい穀物臭をもたらした。
いつも手ぐせで、ザ・日本定食の香りを漂わせるはずのキッチンが、途端に異国情緒になる。よい。
パラパラで、食材の旨味を吸って、さらりと胃袋に呑むように吸い込まれた。
しっかし国産でもブロイラー臭はしんどいな。数十円のケチがテンションを著しく下げる。
香り米も好きだが、やはり日本食が好きだ。今年はふきのとうも食べなかった。春のスイッチが入らぬまま、このまま季節に鈍感なまま、いつか夏が来て終わるのだろうか。もはや平成最後の夏もない。
週末にだけ水をくれてやる、3年くらい何も植えていないベランダの、プランターから大葉とミョウガとノビルと木の芽がぐんぐん伸びて怖い。ブラック社員より元気な。調子に乗ってパチンとやった手のひらに刺さる山椒の鋭いトゲ。
買うとびっくりするほど高いがほっとけば毎年毎年いくらでも伸びるので、絶対植えておいた方がよい。あとよい観葉植物にもなる。洗濯物の邪魔だが。
調子が良い日にはふらりとラーメン屋に吸い込まれた。フラれた店もあったが、近所に食べログ3.5を超える店が3店以上あるのはとても良いことだ。下町に住む良さ。
まっさかほぼ寝込んでいたのにかなり太ったのだった。
なんでこんな時間に起きているか?大きい虫がバチバチと音を立てて照明にぶつかりながら部屋中を飛び回っているからだ。眠い。
換気扇のフィルターが壊れていて虫が侵入し放題なのを早急になんとかしたい。