こだまさんの「ここは、おしまいの地」を読んだ
こだまさんの「ここはおしまいの地」届いてすぐ読了した。
ガラケーだった当時、何処からか覚えていないけれどこだまさんのブログに行き当たり、貪るように「前へ」のボタンを押した夜。めちゃめちゃ動作が重くもどかしかったあのサイト。
今、待ち時間なくどんどんページをめくっていけるのがとてもとても嬉しく、読むのが遅いほうなのにすぐ読み終わってしまった。
慣れない紙の読書で頭痛がんがんだ。
私には強いエピソードになる過去も、こだまさんほどの集落生まれでもない。
でも、田舎特有の狭い人間関係、世間への無知の恥ずかしさなどをずっと抱えて、地元を出た今でも生まれた田舎のことを引きずっている私は、こだまさんの集落の話と、学生のころの話が大好きだ。
自分の過去も思い出す。金髪豚ヤンキーみたいな強烈なキャラこそいなかったが、そういえば小学校の頃にかるく学級崩壊したことがあった。教室中に「○○(先生の名前)死ね」と油性ペンで書き殴ったり、すぐ蛍光灯を破っては「(投げた)ペットボトルが割りました」と反省ゼロの言い訳をしていたあいつのせいだ。2年受け持つはずが、ベテランの先生でも耐えられず翌年遠くの学校へ異動してしまった。新しくやってきたのは髪ツンツンで口が悪い若い男の先生だった。教室の冷房18度に設定するクールガイ。持ち前の荒々しさで不良をうまく取り込んで見せたんだった。
あの不良、高校の試験に落ちて親のコネでオーストラリアに行くとかいってたっけ。そういう話はすぐ耳に入るのが田舎だ。果たしてその後どうしているだろうか。
長女に生まれ、下のきょうだいが、明るく人とよく話せるのを羨んでいた。きょうだいが身に付けるものすべて自分よりずっとセンスが良く、自分が身に付けるものは格好悪く思えた。
大人になって、性格が完全に丸くなったわけではないけれど、今でも険悪になることはあるけれど、きょうだいの性格を受け入れて、苦手な部分はお互いある程度流して、会話ができているのがとても楽しい。
家を出て大人になって、帰省するたびに家族の変化を身に感じる今、昔よりこだまさんの家族の文が沁み入る。
穂先メンマの章、2回読んでしまった。
手の甲にある、妹との喧嘩のとき爪が刺さった傷跡をなでた。些細な言い合いが発端の、何年も残る傷跡。でも消えなくていい。
自分のことを深く考え込む夜、根暗で変人な性格をなんど変えようと思った(思っただけ)かわからないけれど、無理やり明るくならなくてよいのだ、格好つけなくても、友達が少なくても、生きりゃいいんだと肯定してもらえているような気になる。
この本のように、過去の一つ一つのことを受け入れて、エピソードとして笑えるような文がかけたらいい。
読書感想文のつもりが自分語りになってしまった。とにかく大好きな本です。
最後に、骨の赤ちゃんが大きくなることを遠くから願っています。