桜色のウォークマン(2)ウォークマンがいないと電車にも乗れないんだ!
別段、ノーミュージックノーライフな人間ではないので、
休日には全く音楽を聴かないこともある。
むしろ調子がわるいと音楽を聴けなくなる。特に日本語の歌詞のある曲。
仕方なくインストばかりきく週もある。
(インスト好きだけど)
仕方なくでも平日は音楽を聴かねばならない所以、それはウォークマンの「ノイズキャンセル機能」にある。
こいつがあれば、
ガタンゴトン音も、話し声も、
(時には駅名アナウンスも)
全てうち消してくれる、スグレモノなのである!
音質に深いこだわりもないのにウォークマンに拘っているのも、ノイズキャンセル機能があるからだ。
ノイズキャンセル機能ゆえに、イヤホンは断然ウォークマン純正のもので、
過去に3回ほど買い換えている。※1
(4000円するのでそんなに音も悪くない)
※1:ちなみに、買い替えたうち一回は前回のブログに書いた「タクシーに轢かれた」エピソードの通り。
この素晴らしい文明の利器を、ついうっかり充電したまま部屋に置いてきてしまうとどうなるか。
ただでさえおぞましい空間である満員電車が、それはそれはおそろしい、
地獄に、
なってしまうのだ!
鼻をすするおっさん。痰が絡んだおっさんの喉のゴロゴロ音。ジイさんのウインドブレーカーの擦れ。中国人の車内通話する声。なんかブツブツひとりごと言ってるおねえさん。おにいさんのイヤホンから漏れるシャカシャカ音。飛び込み乗車したおばさんの息切れ。飛び込み乗車に苛立つ駅員さんの強めの口調のアナウンス。
ききたくない全ての音が、
生きている人間から発する、好ましくない音が、全て、筒抜けになって、嫌でも耳に飛び込んできて、
そして、ずっと耳を離れない。
地獄だ。生き地獄だ。
いつのまにか、
大好きなウォークマンの話をしていたら、また大嫌いな電車の話になってしまった。
本当に、どれだけ電車嫌いなんだろう。
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居候邸最寄の無人駅から
ボックス車両のローカル線に乗って、
毎日電車通学していたあんとき、
いろいろなことがばっさばさと積もり重なって、柄にもなくかなり滅入っていた。毎晩毎晩、四畳半いっぱいいっぱいに、ちっとも可愛くない呻き声を上げたくなるような。
(居候のくせに部屋の広さとか言っちゃったけど、四畳半はとても気に入っていたし、ご飯も洗濯もしてもらって、一生で一番の恩があります。)
もう5年くらい経つのに 未だに、あの頃電車で聴いていた曲を
なかなか再生できないでいる。
音楽と記憶とは強く結びついていて、
辛い時に聴いていた曲を苦手になった話はよく耳にするけれど
電車に乗りながら聴く音楽は、より鮮烈に感情が焼きつくような気がしてならない。
どちらも流れているからだろうか。
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