東京・バブルと自尊感情

 (※フィクションです。決して愚痴じゃないです。決して……)

 

 

体調悪いので…とお誘いを断ったら、
1日で治さないとだめだよ!と返ってきた。

なんて身勝手な、と笑う。

せめてひとことくらい心配するそぶりでも見せれば

少しは好感度も上がるだろうに。

 

当人、飲み会の心配しか頭にないようだ。

 

都合のよい若手女性社員、
として使われていること
くらいは理解してるけれど。ねえ。

 

 

とにかく、自信がすごいのだ。

俺はかっこいい!
俺はおもしれえ!
俺は好かれている!

全く信じて疑わない。

 

例え親より年上だとか
髪が薄くなりかけているだとか
そんなことは、一切、関係ないのだ。

 

…むしろ、こんな女チョロいぜ!なんて思われている。

 

俺が気に入った奴は
俺のことを当然好きだ!って。

ジャイアンくらい横暴なロジックだ。

 

こんな自信家、同世代の人では見たことがない。

 

にしても楽しそうに生きている。
先達ては、小洒落た飲み屋で
バブルの頃の武勇伝を熱弁したのち
出禁を食らっていた。

よっぽど若者より若い。

 

(若者もこのくらい身勝手に生きたって
いいのかもしれないな。
あくまで、たまにはだけど。)

 

そういえば、
地元の田舎のオッチャン達は
酒の席ではしゃぎこそすれ、
水商売でもない20ちょいの若手に
平然とナンパするなんてのは見たことがない。
せいぜいスナックに通うくらいだ。

 

やっぱり「東京」の「バブル」を真に経験した人たちは違うのだ。
そう思えてならない。

 

バブルに想いを馳せる。

 

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ただ冗談のように嫌がって
ただ曖昧に苦笑いした晩には


ほんの一時的な若さと、お世辞のマシンガンだけしか持っていないようなこの私が、

その東京タワーのように堂々とそびえ立つ自尊感情
三世代前のiPhoneの画面くらいばきばきにしてやりたいと

 

ぐつぐつぐつぐつ
はらわたを煮えたぎらせている

 

(カツ煮はうまいよ)

 

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