12月のエアリズム

エアリズムが正解の日だった。

 

暑いような日だなあ、珍しく汗をかいている。

なんだか周囲もやたら暑い暑いと言っている。

と思っていたら、どうも夏日の気温だったらしい。

次の日になってニュースで見て、ようやく、ああやっぱりそうだったのかと合点する。

 


果たして昨日だけではなく、12月だからという理由でコートを着ていただけで、東京は案外まだそんなに寒くないような気がしている。

お風呂上がりと寝起き以外。

 


ヒートテック、着すぎてペラッペラのぼろぼろになっていた上に着るとかゆくなるので、思い切って5枚すべて捨ててしまった、去年の春。

 


未だにエアリズムを着ている。

無印のインナーが安くていいらしいので早く無印に行きたい。

1月にはもうさすがに東京も寒いだろう。

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不安定

普通二輪(MT)の教習に通い始めた。


学生の頃とりたかったけどシンプルに余裕がなく断念していたのだ。
さいきん周りの何人かが二輪の免許をとっているのを見て、そうだ、と思い出したように、えいやっと申し込みをしたのだった。

 

正直買うならコスパのよい125ccのスクーター(あの、そのへんの人がよく乗っている、格好よさはない、生活感むき出しのあれ)なので、小型限定AT免許でもよかったのだ。
3日とかでとれるプランもあるし。
でも料金もさして変わらないし、なにより小さな夢だったのだ。
せっかくなので、普通のを申し込んだ。

 

まあ、めちゃめちゃにつまづいた。
車(AT)の免許をとってから一度も乗らずにゴールド免許になっている身分、まず交通のルールを完全に忘れている。
それこそ確認と合図、交差点、徐行、進路変更、右折、左折などという基本から…。

 

クラッチとギアチェンジ、前輪ブレーキと後輪ブレーキという初心者あるあるの壁。
運動神経ゼロではちゃめちゃに鈍臭く、その上頭の回転が遅いということを、これ以上なく痛感する。

 

アクセルが怖くてギアチェンジに至らないという意味不明さ。
というか3速入れたらアクセルなくてもめっちゃ速度出るじゃん。
補足しておくが私のいうめっちゃ、は20kmすら出ていない。
でもバイクの体感だとめっちゃ速い気がするのだ。

 

最近、ビュンビュン走っているバイクを見かけるたびに、尊敬の念が湧いてくるくらいである。

 

教官の後ろに乗って実操作を学ぶというのがあるのだけれど、私があまりにも加速しないのを見かねた教官が、加速と減速の見本としてはちゃめちゃ速度を出して教習所内を2周したときは、教官の肩を鷲掴みして
「死ぬ死ぬ死ぬ!無理っす!まじで!!」
と半泣きで叫んでしまった。
ぐおんと加速したあと身体がふわっとしたり、特に車体を傾けてカーブを曲がるところ、あれはジェットコースターだ。
(のちに教官から、まずはドドンパ乗れるくらいジェットコースター克服したら、と笑われた…)


ディズニーの一回転するあれですら、ファストパスとっていざ乗ろう、と列に並んだところで震えだし、気分が悪くなってしまいに泣き出してしまい、同行者に平謝りして乗るのを諦めたことがあるくらいには絶叫系は苦手だ。

 

そういえば、車の免許取ったときを思い出す。
あの時もアクセルが怖くて怖くて、クリープ現象だけで路上教習出ようとして教官にはちゃめちゃに叱られたのだった。(そりゃ当然だ)

 

もちろん楽しいこともある。
はじめはローギア半クラッチ維持でつま足で(身長が低いわけではないのだが、短足なのでちゃんとは届かない)そろそろと歩きながら進むところから、ちゃんと足を乗っけて走れるようになった。
(これは普通すぐできる初歩の初歩、当たり前のところなのだが、そこからつまづいた。かんたんなはずの操作を間違えてエンストはするし見事にコケた。教習内容はなかなか進んでいない。)

 

ふだん全く触る機会もない重たい重たい鉄の塊を、操作すると、操作した通りに動いて、生身の身体が風を切ってグイグイと進んでいくのは、こわいけれど楽しい。

 

まるで幼稚園の頃の自転車の練習ようだ。
今までにない全く新しい感覚。


ただし自転車ならぽてんとコケても擦り傷で済むが、バイクだと骨折や最悪命に関わるので、気軽にコケられず緊張感が段違いだけれど…。

 

緊張。楽しいけどかなり気が重い。
憂鬱な気持ちで布団でダラダラしていたら二度寝してしまい、ハッと起きたら教習の時間、2時間連続キャンセルしてしまった。


申し訳なさ、キャンセル料、あとただでさえド田舎の教習所と違って予約が取りづらいのだ。
どんどん卒業が遅れてしまう。
間隔が空くと感覚を忘れてしまう。
慌てて教習所キャンセル待ちをして、その日は2時間乗ることができたが、結局のちの予約がだいぶずれ込んでしまった。

 

休日になると重い心体を起こして教習所に向かう。
重いバイクを起こして、またがり、エンジンをかける。
必死になって操作しているつもりが、何度も何度もミスして、同じことを教官に注意される。
毎回少しずつは成長しているが、本来のカリキュラムに追いついていない。

 

思えば学生のころは上手くいかないことなんてあまりなかったのに、
(特に塾や習い事をしていなかったし、受験もなあなあだったのだから当然ともいえるが)
社会人になってから、会社でもうだつが(それに比例して給料も)上がらず、
私生活も最低限の掃除以外はだらけきっており、料理もちゃんとしたのはほぼ休日のみでいつも雑な自炊、他の趣味も没頭するでもなく、ただYouTubeを見たりブログを読むだけのことが多くなった。
上手くいくことのほうがはるかに少なくなった。

 

教習から帰って、動画を見つつふて寝して、暗くなって起きて、だらだらと夕飯を食べた。

趣味ではじめたはずなのに最近は余計憂鬱だ。
決してやめたいとかそういうのではないし、後悔もしていないけれど。

 

気づいたらまた根暗の日記になってしまった。

明るくなりたい。

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後悔といえば、最近はどうも少し飲みすぎて次の日に後悔することが多い。
憂鬱をお酒にぶつけるなんてよくないけれど、飲んでいる時間はまさににエンジンがかかって、アクセル踏んでいる状態、テンションが明確に上がって、楽しいのだ。

 

かんぱーい。いい頃合いだ。

残暑

・シャンシャン
キャラクターをあまりかわいいと感じないのだけれど、シャンシャンが産まれてから母の便箋がパンダ柄になったのは素直に可愛らしいなと思った。

 

・夏休み
個人的な都合で、夏休みを秋に取ることになり、仕事は全く忙しくもないのにお盆に出勤していた。
早い梅雨明け、猛暑、続く台風と、今年の夏は長くとても夏らしい夏だったにもかかわらず、あまり夏らしいことをせず、休日もクーラーの効いた室内にばかりいた。
なんだか気力が湧かず、料理も雑(そのくせカロリーは高いのでちっとも痩せない)、写真も撮らない、あまり遠出もしない、かといって資格の勉強もちっとも進まない。
SNSを開けば海、旅行、ライブ、かき氷……なんだか遠い世界の話ような気さえする。
とはいえ、全くなにもしていなかったわけでなく、いくつか楽しいイベントもあったのだけれど、いまいち夏を謳歌した実感がない。
わたしの中で夏を夏たらしめるのはやはり夏休みがあってこそなのかもしれない。

 

・メロン
レモンをそのままオレンジのように食べるくらいには果物好きで、常に「ああちょっと高いフルーツが懸賞で当たったりしないかな(応募してもないのに)」と思っているのだけれど、なんとメロンを1玉貰ってしまった。
きちっと冷やして、ひとりで1玉ぜんぶ食べた。皮のギリギリのとこまで。
この夏いちばんのイベントであった。

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・ぶどう
あとぶどう3房で400円だったのでぶどうもひとりで3房食べた。

 

・冷やしラーメン
「ラーメン食べるぞ!」と意気込んでいるときに冷やしラーメンはなんかちょっと違う気持ちなので、今まで食べたことがなかったのだけれど、
ああ暑い、さっぱりと冷たいものをざくっと食べたい、という気分のときに初めて食べた冷やしラーメンはとてもおいしかった。

 

・茗荷
我が家の半観葉植物化しているプランター茗荷からついに3つ目の収穫があった。
そういえばいつも薬味か浅漬けか醤油漬けか、生でしか食べたことがない。
せっかく香りが強い自家栽培なのだから、よく聞くお味噌汁にすることにした。
めんどくさい日は顆粒だしを使ってしまうのだが、きっちり昆布と鰹節で出汁をひいて、火が通りすぎないようにさっと煮る程度に。
しゃきしゃきとした歯ごたえに茗荷の香り。熱くて爽やか。これはいい。ごはんの名脇役だ!
絹ごし豆腐も合うだろうな、次はそうしよう。

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・水晶鶏
夏なので水晶鶏を何度かやって、中華風ピリ辛ソースやユッケ風卵黄乗せなどいろんな味付けをしたが、味見の際にゆずぽんさっとかけてつるっと食べたのがいちばんおいしかった。優勝。

 

・ハレとケ
秋なので、ハレ(にしたい日)はシャインマスカット、ケの日常では梨を食べることとする。

 

・秋刀魚
来週末は秋刀魚を食べよう。大根おろしは多めにおろしておいて、次の日に鶏のみぞれ煮を作るのだ。ここ数年の秋の恒例行事となっている。

 

今週のお題「ひんやり飯」

夏の夕暮れをさんぽして、隅田川の花火を横目に帰る

20180729

 

「不要な外出を避けましょう」の免罪符のもと、
ここのところの休日はクーラーの効いた部屋でだらだらと過ごしていた。

一般に、部屋にこもることが咎められないのは真冬くらいしかないので、思う存分ぐうたらさせてもらう。

しっかし冬は暗いが夏は明るい。
太陽が燦々と降り注ぐなか、ごろごろしているのはやっぱりなんだかすっきりしない。

いつもは、ラジオを聴きながら川沿いを10〜20kmほど、
時間にして2〜5時間ほど散歩するのだが、
炎天下37度越えはさすがにしんどいし、
自販機どころかなにもない河原で倒れてしまったらどうしようもない。

溶けたように過ごすのは大好きだが、さすがに飽きがくるし、部屋でラジオを聴くと寝てしまう。

ほんとうにここ数週間の週末は人間として退廃していた。
寝てYouTubeみて寝て漫画読んで寝て、みたいな。

そろそろ歩きたいなあ、と思っていたところに台風が過ぎ去って、気温が32度ほどまで下がったので、ようやく外に出たのだった。

といっても炎天下は少々怖いので、夕方5時から。
河川敷は無理だが住宅街なら日陰をずっと進んでゆける。

歩きだして、これはたしかに先週よりだいぶぬるくなっている。
この調子なら水分・塩分補給をして2、3時間はまったく問題なさそうだ。

日が落ちてくると、ぞろぞろと犬が増える。
アスファルトの温度は火傷しない程度には下がっただろうが、それでもまだじんわりと熱を帯びているようだ。
若そうな犬でも舌を出してよたよたと歩き、
信号待ちでは皆だらんと溶けていた。
汗をかけず毛皮をまとっているというのは相当まいるだろう。

信号待ちで溶けるのは犬だけではない。
歩いている最中は、わりと汗をかかないので余裕がある(と錯覚する)のだが、
立ち止まった瞬間にどっと汗が噴き出す。
いったいどういう仕組みなのだろう。

 

そうこうしていると5キロはだいぶ過ぎていた。
折り返さねば。しかし来た道戻るではつまらない。
もう直射日光はないので、住宅街から影のない河川敷の方へ出て、いつもの川沿いを歩くことにする。
ちょうど夕暮れだ。
グラデーションの空に凧が揚がっている。

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カメラを持ってこなかったことを後悔する。
でも重いんだよね。
20kmとか歩く時持ってるとほんとうに肩がやられる。

河川敷に来てからイヤホン越しでも虫の声が聞こえる。
実家にいた頃は自分の部屋にいるときまで、いやほど耳にしていたが、今ではわざわざ出歩かないと聞こえないのでなんだか嬉しい。
東京じゃ蝉の声も小さいのだ。物理的に少ないから。

 

わたしがいつも川沿いを散歩する理由に、ここらはカニがそこら中にいる、というのがある。汽水だからだろうか。
水際をみやると結構大きいのがわさわさといるし、道を歩いていても草陰からひょっこりと出てくるのでおもしろい。

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すれ違う人みんな夕日を見つめている。

それにしてもだんだんと人が多くなる。
いくら日が落ちて涼しくなったとしても、散歩にしては多すぎやしないか。
と、レジャーシートをひいてくつろぎだす人がでてくる。
さらに進むと、あたりはそういうグループでいっぱいになった。

浴衣の人を見かけてピンときた。
ああ、花火だ!

昨日の隅田川花火大会が台風で中止になっていたのは知っていたけど、翌日開催になることをすっかり忘れていたのだった。

時計を見ると、あと20分ほどではじまるらしい。
ちょっと見てから帰ろうか。
しばし立ち止まって、水を飲み、塩分補給タブレットをかじる。

ぼうっとしていたら7時前になる。
しかしまだかなり明るい。ほんとうに上がるのか?
そしてここから見えるのか?なんせここ荒川だし……

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ちゃんとあがった。かなり遠いけど。
明るい中の花火も悪くないものだなあ。

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しばらく花火を横目にだらだらと横目に歩いたり立ち止まって見入ったりして、空がだんだん暗くなっていくさまを楽しんでいると、ビールのスタンプのお誘いがくる。

これ以上ちんたらしていると、家に着くのがだいぶ遅くなってしまう。ああ、まだ家まで5km以上あるのだった。

河川敷の人混みをかき分けてざくざくと早足で帰る。徐々に人が減り、見知った景色になる。安堵感。長めの散歩には少しの不安が付きまとうのだ。夜目が効かないので暗いとなおさら、河川敷は街灯が少ないので特に。

そろそろ一人にも飽きた。早く家に帰って、ざっとシャワーで汗を流し、着替えて、家を出て、飲み会に合流して、冷えたビールを流し込んで、人々と話すのだ。


午後がとにかく長い1日だった。

某干潟産ホンビノスとマテ貝の都市河川の香りを料理でなんとかしたい!

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干潟ってすごいですね。


大潮でも満潮と干潮の差が20cmほどしかない日本海沿いに生まれたので、潮の満ち引きというのをあまり実感せずに育ってきました。


東京に越してきて驚きました。その辺の川、しかも海のすぐそばってわけでもないのにみるたびに水位が違うのです。大雨が降ったあとでもなく。
こちらでは大潮には満潮と干潮の差が約2mもあるのです。6時間前にはざぶざぶとしていた海の水が完全に引いて、砂や泥が露出して、歩いていけるなんて!魅力的すぎませんか。


こうして今年3月に、はじめて干潟デビューしたわたしは、潮のいい週末にたびたび潮干狩りに向かうようになりました。


ちょうど先週も、マテ貝とホンビノスをとりに河口へ行きました。


まずマテ貝ポイントに行くと、その日はちょうど干潟おじさんがいて、かたっぱしから話しかけてマテ貝レクチャーをしていました。苦笑
逃げるように少しずつ離れながら掘って塩かけて…15本ほどいただいて終了。
そのときの発見、なにもぎりぎり水際でなくてもよいのだと。
ちょっとでも水があると、掘った穴に水がきてしまって塩がかけずらいし反応もよくない。
バシッと水が引いてるとこの、表面の穴を掘っていって、楕円形なら塩をかけると、すぐにひょこっと出てきます。


次に泥地のホンビノスポイントに移動。
外国語が飛び交い、そこいらに置いてある、スーパーのカゴほどの大きさのコンテナにホンビノスがぎっしり……わかりやすいポイントです。
ホンビノスはほんとに大きくて達成感があっていいですね。
泥を掘っていくと「ズカッ」と衝撃がきてでかい貝が採れる。体験です。
(ちなみに衝撃の6割はオキシジミで、水をぴゅーっと吹き出してきてがっくりします。あとシオフキガイも。)

道草して野良ミントと若オニグルミを採って帰宅。

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さて、本題の料理。
掘果はマテ貝15本、ホンビノス6つ。

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一晩塩水で砂抜き(+貝内の水分をきれいな水に入れ替えたいという気休め)を施します。

いつもはガーリックバターソテーやバター醤油焼きで食べます。
強めの味付けでないと、やや都市河川を感じるのです。
ホンビノスを焼いている時なんてまさに都市河川沿いを歩いているような気持ちになります。
食べるとそこまで強烈という訳ではないのですが、やはり少し気になります。


そういえば気になっていたのが、クラムチャウダー
「幕張新名物!」と銘打ったホンビノスのクラムチャウダーのお店があるのです。
クリーム系の味付けはひょっとしていけるのではないか。
やってみましょう。


[ホンビノスのクリームパスタ]
・ホンビノスは耐熱皿に並べ焼いて、殻が空いたら身を取り出し4等分に切る。
・フライパンにオリーブオイルをひいてニンニクみじん切り、ベーコン、唐辛子、玉ねぎを炒める。(ボンゴレより控えめの分量)
・さっと炒まったらバター、白ワイン、切ったホンビノス、耐熱皿に残ったホンビノス出汁を入れ、(ノロが怖いので念のため)かるく煮つめる。
・豆苗投入、生クリーム投入し、沸騰したらパスタを和えて完成。


マテ貝はなんとなく中華風に。
ごま油とにんにくしょうがでやっつけようという雑な魂胆です。


[マテ貝の紹興酒炒め]
・ごま油を熱し、にんにくとしょうが、粉唐辛子を炒める。
・マテ貝投入、油が回ったら紹興酒をかけて貝が開くまでフタをして蒸し焼きに。
・フタを開け、白ネギを和えて、最後に醤油をちょっといれて完成。

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さて、実食です。
ホンビノスのクリームパスタから。
これは完全に都市河川を感じません。でも貝の出汁のうまみ成分が生クリームやバターと合って、濃厚でとてもおいしいです。
チーズ入れていないのに、入っているかのような風味。
ホンビノスの身が大きいので、4等分しても十分に食べ応えがあります。
豆苗を入れたのも歯ごたえがあってよかった。濃厚な中でのさわやかさは大事ですね。


ボンゴレビアンコよりは刺激が少なく、「貝!!!」ほどの主張はありませんが、まったりしみじみおいしいパスタになりました。
これは都市河川ホンビノス料理の一つの正解といっていいのではないでしょうか。


次にマテ貝の紹興酒炒めを。
がっつりした味付けを施しましたが、それ以上に貝の風味ががつんときますね。
マテ貝は貝自体の味がかなり強く、貝が苦手な人はほんとうに苦手だろうなあ、という味です。
すこし塩辛くなってしまったので改善の余地あり。
汁がはちゃめちゃうまい。ご飯投入決定です。(つまり一食でパスタと米両方食べたということです)

マテ貝本体は味付けに左右されない屈強さがあるので、出汁を生かした料理、それこそパスタとかに活きるのかもしれません。
ただし殻が薄いため割れやすく、破片が料理に混ざりやすいため工夫が必要でしょう。
(採るのが下手で、引っこ抜く際に5割の確率で割ってしまう…)


どちらもおいしくいただきました。パスタは今後ガンガン食べていきたいです。みなさんも、ホンビノスを掘ったらクリームパスタにしてみてはいかがでしょうか。

20180610

 

久しぶりの何もない週末だと思う。


スケジュール帳を買ってすらいない、だらしのない人間なので正確にはわからない。
友人の少ない私にとって、休日の予定が立て込んでいたなんてとても珍しいことだ。あと長めの風邪をだらだらとひいていて、禁酒をしていたのだった。

 

昨日は昼過ぎまで寝て、掃除洗濯などの家事一式を片し、自家製ラー油で麻婆茄子を作って明るいうちから飲んで、また寝て、スライムを作ってこねていた。知り合いがn人目の子どもとか言ってる中、果たしてこんなダメな20代女性がほかにいるだろうか。楽しいんだけどダメな気がする。

 

今朝も昼過ぎまで寝て、起きると雨だった。寝すぎて体が重い。これが私のいつもの休日だ。
いつもと同じなのにどこだか寂しい。ここんとこ珍しく休日に人と会っていたからか、いやもともとそうだったか。

 

いつもの休日どおり、ラジオをききつつ4時間散歩をしよう、と思ったけれど、雨だ。

 

ふと、レースカーテン越しにベランダを見やるとだいぶ緑が見える。プランターの大葉とみょうがの葉があほみたいに成長している。毎年初夏に、奴らは急成長する。毎日伸びるのがわかる。洗濯物が干しづらくてかなわない。私と対極に生き生きとしている葉っぱにしずくがかかっているのを眺めながら、甘くないレモンサワーを飲んだ。

 

そうだ雨靴を買ったんだった、と思い出したのは15時を過ぎていた。2時間だけ、オールナイトニッポンを聴きながら歩こう。日が伸びたのだから16時からだって余裕を持って散歩ができる。

 

傘をさして雨靴履いての散歩もよいものだった。雨音だけがきこえる神社でひとりひっそり参拝をして、ストロングゼロ片手に自販機のお釣りを漁るおっちゃんの後ろ姿を見たり、ポロポロ落ちているヤマモモを見て街路樹を見上げたり、手を伸ばしてふたつぶほど失敬したり、植え込みのあじさいを眺めたりした。

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(これは先週鎌倉にあじさいを見に行った時のもの)

関東は青いあじさいが多いようだ。地元はきれいなピンクか紫が多かった。酸性とアルカリ性の土壌の差だろうか。ピンクが苦手で青が好きな私は、もっと青がたくさん咲いていたらなあと思っていたのに、今ではきれいなピンクが恋しくなった。手に入らなくなってはじめて恋しくなるなんてめんどくさい人間ではないか。ああだるい。全てだるい。雨のせいだ。

 

冷蔵庫の食材もあまりないし、ストックの缶のお酒も飲み尽くしてしまった。今から帰って晩酌の準備をする気分でない。
帰りがけに、家から近い小洒落た居酒屋によって、一杯やっていこうか。

 

人生とはうまくいかないものでそこは日曜定休だった。なんだかとても悲しくなり、耐えかねて、土砂降りの日曜の夜という間の悪いときに友人を誘う。こんな日に来てくれるなんてありがたや。なじみの居酒屋へ。

 

ハモの湯引きとアナゴの白焼きを食べる。表面だけさっと火の入ったハモを梅肉でさっぱりいただく。火の通ったハモもおいしいが、半生もおいしいものだ。夏だなあ。アナゴ白焼きは、カリッとした皮目にレモン絞ってわさびとで最高だった。煮付けないウナギ目万歳。(うなぎは絶滅しかけてるので食べない)


……しかし後で聞くと友人はウナギ目が苦手だったという。ほんとうに申し訳ない。

 

その後、カラオケに向かいサクッと1時間ユーミンを歌って、1日を締めた。
雨の曲は「12月の雨」「ベルベット・イースター」がほんとうに好きだ。どちらも梅雨じゃないけど。

 

 

今週のお題「雨の日の過ごし方」に間に合わず……

新緑のGWに、田舎へ帰省した話

今年のGWは「最大9連休」。
私もみごと9連休をいただくことができたので、かなり田舎である地元へ帰省することにした。

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有給取得がきまったのが直前だったので、詳細な予定を立てていたわけではないが、とてもとても楽しみだったのである。

というのも、地元を離れてから、夏と冬くらいしか帰れなかったので5月の地元なんて高校卒業以来なのだ。いったい何年ぶりだろう……

現在は東京で暮らしているが、田舎で生まれ育ったからか、いや、もともと家の中で遊ぶより外を駆け回っているのが好きで、雑草や川や生物が好きだったからか、「自然の中で遊びたい」という気持ちが強い。

もちろん都会には都会の生態がある。よく河川敷を散歩したり、ちょこちょこ野草を摘んだり、都市河川の干潟でマテ貝やホンビノスなどの潮干狩りをして楽しんだりしている。

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しかし、澄んだ川や、白い砂浜と青い日本海、広がる水田やその用水路、あまり踏みしめられていない山辺などが恋しくなるものである。

毎年、夏冬の帰省を楽しみにはしていたのだが、同じ季節ばかりで飽きていたところ。今回は新緑の春だ。わくわくする。

 

新幹線や特急を乗り継いで、実家に帰るとまず、母の手料理が出迎えてくれた。

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母の料理は、いわゆる「インスタ映え」はしないし、凝っているわけでもない、ごく平凡な日本の家庭料理なんだけど、わたしはこれがほんとうに好きだ。派手なものでないので少々食べ過ぎても身体に負担が少ない。私が太っているけど健康的だったのは、母のおかげかもしれない。

バイ貝でビールを飲んだあと、チャーハンにはまっているというきょうだいにシメを作ってもらう。

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ほとんど写真には残っていないが、地物のカレイの干物やノロゲンゲ、ワラビ、タケノコなどなど、海と山の幸を堪能した。

 


ワラビが新鮮ゆえにあまり熱を入れていないので、とろろにするにはカクカクしてるけど、これはこれでいい食感だった。

やっぱりみんなで食卓を囲むというのはいいものだ。


次の晩は、地元の友達と居酒屋に。ごくふつうの光景のようだが、実は地元でお店で飲むのは初めてだ。なんせ田舎すぎて居酒屋が少なく、車に乗らないと辿り着けないという困難さ。今回お迎えを頼んでの参戦。
海のある地域だけあってお魚がおいしい。カワハギの造りとフグのから揚げが今回のベスト。季節のものの天ぷらやサラダも、見た目が鮮やかで、旬のものがきちんと調理されていておいしかった。

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さて、食べてばかりいては仕方ない。
山辺や川沿い、田んぼの周囲なんかを見ようとママチャリでサイクリングに出かけた。

山が新緑で濃淡のまだらな緑になってとてもきれいだ。藤の季節なので、たまに淡紫が混ざる。こんなところにも、あんなところにも藤があったんだなあ。この季節にしか気づけない。

ちょうどゴールデンウィークといえば田植えの季節。休耕田、耕されている田んぼ、水が引いてある田んぼ、田植えの終わった田んぼ……そういえばめっきりみていなかった。稲の伸びていく様子で季節を感じていたんだった。

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(電車がなく「列車」なので電線がない)

実はこのサイクリング、アミガサタケ探索も兼ねていた。こっちは気温が低かったらしいので、ひょっとすると老菌が見られるかもしれない…と。

結論として見つけられなかった。時期が遅かったのも当然だが、ここはポイントじゃないのかもしれないし、あるいはこの地域自体にないのかもしれない。
楽しかったのでよしとする。

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野良山椒はあちこちでいた。

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防空壕が物置になっている様子。防空壕らしき跡は田舎にはいっぱい残っている。

しかし地面がふかふかなのに驚いた。今まで東京付近でアミガサタケ探索はしていたのだけど、人が多いので地面はかたく踏みしめられているし、落ち葉も雑草も清掃されてしまっているところが多かったのだ。改めて体感した。もっとふかふかのポイントを見つけなければ…。

そういえば、サイクリングをしながら野草を見つつ思い出したことがある。この地域にはほとんどノビルが生息していないのだ。見かけるのは畑のあぜから逃げ出した野良ニラ、アサツキばかり。
単にわたしの見逃しでなく、ここにずっと住んでいる人々に聞いてみてもそうらしい。
だから、地元を出るまで私にとっては「憧れの野草」なのであった。最も有名な食べられる野草のうちの一つに憧れるというのは妙なのかも知れないけれど。


さて、今回の帰省でいちばん楽しみにしていたのが磯物採り。
日程的にこの日!というのが決まってしまっていたので、天気が悪くてもリトライできない。
日本海は、太平洋側と違って干潮と満潮の差が20cmほどしかない。某干潟、三番瀬が2m近くあるのと比べて大違いである。
(仮に2mあったとしても、遠浅とは真逆なのでたいしたところまで行けない)
潮が引かないということは、海遊びは波が命。しかし無情にもこの日は大荒れの予報…。
当日の朝、雨はほぼ降っていないが風が強い。
「とりあえず海を見にドライブに行って、もし風が落ち着いたら磯に行ってみよう。」ということになった。
ワンチャンというやつだ。

まず向かった先は浜辺。

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海辺の雑草は肉厚でつやのあるものが多いなあ。

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ちょっとしたテトラや岩場のほうを探索してみる。
案の定、波はなかなかの荒れだ。


でも予報ほど大げさな荒れ方ではない。空もだんだん晴れてきて、日が差すようになってきた。
よし、本命のポイントである磯に移動!

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強い風に雲が流されて、めちゃめちゃ晴れた。これは嬉しい誤算だ。
釣りをしたり遊んでいる先客もいる。
さあ、貝をみつけて遊ぶぞ!
岩の起伏が大きいのでよじ登ったりとび越しして波打ち際まで降りるのが楽しい。
岩質がごつごつザラザラしているので滑りにくいのがありがたい。

進むたびに、大量のフナムシが一斉に逃げるようすに背筋がぞわぞわする。

普段はもう少し海側へいけるが、波が荒いのでほんの手前で貝探しをスタート。

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いるいる!透明度は高いけれど波があるのでようく目を凝らさないと見つけられない。夢中になって下を向いているうちに大きな波がきて、靴はびしょぬれに。

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最終的に、イシダタミガイ・スガイ・クマノコガイの3種が採れた。

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カサガイ系もいたのだが小さめだったので今回はスルー。

まとめて塩茹でにして、晩のいいつまみとなった。

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楽しい時間はあっという間に過ぎて、帰りの日が来てしまう。
自分へのお土産として、庭で勝手に生えてきていた*1小さな山椒を苗として持ち帰った。

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一応定着したようで一安心。ちゃんと育ってくれるといいな。

 

最後に、心残りとしては、コウノトリが見られなかったこと。豊岡で放鳥されたコウノトリは、この地域まで飛来してきて定着しているとのことで、地元ではよく目撃されている。こればかりは運、残念ながら今回は遭遇できなかった。ぜひカメラに納めたい。次回こそ。

*1:ここらではそのへんに勝手に生えてくるのをあだばえと呼ぶ。あだばえで検索すると「家を継がないいらない子」という意味でも使われていたらしい。植物が先だろうか。なんとも昔の田舎らしい例えである。